シロタエイロウミウシの仲間とキイロウミウシの仲間についた新規学名

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新しい論文でいくつかの新規学名が付いたので紹介します。
紅海・アフリカのウミウシを記載したことによって、西太平洋のウミウシにも影響があったという感じの論文のようです。

Glossodoris buko Matsuda & Gosliner, 2018


シロタエイロウミウシ

名前の buko はフィリピンでココナッツ (young coconut) のこと。
これまでは、シロタエイロウミウシは Glossodoris pallida (Ruppell & Leuckart, 1828) とされていたが、これは紅海およびアフリカ東海岸のウミウシとされ、西太平洋の種は新種として登録された。
外見上の違いは殆どないが、 G. pallida の触覚と二次鰓の先は必ず黄色いとされる。

Glossodoris bonwanga Matsuda & Gosliner, 2018

Nudbranch & Sea Slug Identification Indo-PacificGlossodoris sp. 3

bonwangaはZulu語の「見えない」と言う意味。 G. cincta には見えないという区別に因む。
生息域はマダガスカルから南アフリカ

Glossodoris andersonae Matsuda & Gosliner, 2018

Nudbranch & Sea Slug Identification Indo-PacificGlossodoris sp. 1

生息域はサウジアラビア(紅海)

Glossodoris acosti Matsuda & Gosliner, 2018


アコスティ

acosti は Robert Acosta に因む。(著者の先生の名前)
生息域はパプアニューギニア、フィリピン、(及びインド洋)

モンジャウミウシに非常によく似ているが、周縁の線が太く地味とされる。
記載されている写真だけでは見分けがつかない

Glossodoris sp. cf. cincta (Bergh 1888)

モンジャウミウシ

いわゆるモンジャウミウシと言われている種。
元記載がモーリシャス諸島であり、かつ図と本種の特徴が一致しない為別種の可能性が高いとされた
モーリシャス諸島でGlossodoris cinctaを採取出来なかったため、DNAの比較が出来なかったため特定がされていない。今後別の学名が付く可能性が高い

Doriprismatica balut Matsuda & Gosliner, 2018

ドリプリスマティカ・バロット

balutはフィリピンの食べ物(孵化直前のアヒルの卵を加熱したもの)に因む。
生息域はインドネシア、フィリピン

Doriprismatica rossi Matsuda & Gosliner, 2018

Nudbranch & Sea Slug Identification Indo-PacificDoriprismatica sp. 5

生息域はサウジアラビア(紅海)

Doriprismatica marinae Matsuda & Gosliner, 2018

Nudbranch & Sea Slug Identification Indo-PacificDoriprismatica sp. 6

生息域はマダガスカル

参考

Glossing over cryptic species: Descriptions of four new species of Glossodoris and three new species of Doriprismatica (Nudibranchia: Chromodorididae) | MATSUDA | Zootaxa

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