
【動画】海ぶどうを真似るウミウシ、実は5種: 沖縄名物「海ぶどう」にそっくりなウミウシ。DNAを詳しく調査したところ、実際には5種に分かれることが判明しました。 https://t.co/14sjsDeCl8 ナショジオ
— ナショナルジオグラフィック日本版 (@NatGeoMagJP) 2018年10月18日
こんなTweetを見たので論文を探して読んでみました
タマミルウミウシ Sacoproteus smaragdinus (Baba, 1949)
インド洋、西太平洋で見られているタマミルウミウシですが、DNA・形態から細かく分けられました
また、Sacoproteus属が新設され移されました
Sacoproteus属の特徴としてイワヅタ属(Caulerpa)に擬態することなどが挙げられています
タマミルウミウシは元々日本で記載されている種ですし、特徴からみても日本にいる種はそのまま Sacoproteus smaragdinus (Baba, 1949) になります
よくよく探せば、Sacoproteus nishae が見つかる可能性はあるのかもしれません
その他
世界のウミウシに写真がないので意訳で紹介します
Sacoproteus nishae Krug, Wong, M. R. Medina, Gosliner & Valdés, 2018
マレーシア、マーシャル諸島
Caulerpa chemnitzia に擬態する
触覚の先端と中点に白い斑点を持つ
目の前の横に白い線がある
Sacoproteus smaragdinus と同一環境にいることが確認されている
Sacoproteus yhiae Krug, Wong, M. R. Medina, Gosliner & Valdés, 2018
オーストラリア東部および南部に生息
Caulerpa cactoides もしくは Caulerpa geminata に擬態する
触覚の真ん中に白い線が入る
触覚の根本や頭に白線はない
背側突起に白点がある
Sacoproteus browni Krug, Wong, M. R. Medina, Gosliner & Valdés, 2018
オーストラリア南部に生息
Caulerpa cactoides もしくは Caulerpa geminata に擬態する
Sacoproteus yhiae と外見上の差異はほとんどないし、一緒に発見された
Sacoproteus thomasleei Krug, Wong, M. R. Medina, Gosliner & Valdés, 2018
グアムに生息
Caulerpa に擬態しない種
ミドリアマモウミウシのような見た目なので、本属と特定するのが困難
おまけ
日本で食用とされている海ぶどうの和名はクビレズタ
学名は Caulerpa lentillifera
参考
Krug, P. J.; Wong, N. L. W. S.; Medina, M. R.; Gosliner, T. M.; Valdés, Á. A. (2018). Cryptic speciation yields remarkable mimics: A new genus of sea slugs that masquerade as toxic algae (Caulerpa spp.). Zoologica Scripta. , available online at https://doi.org/10.1111/zsc.12310
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