
新しい論文で学名はないけどよく知られていたアオウミウシ属のウミウシ達に学名がついたので紹介します
Hypselodoris cerisae Gosliner & Johnson, 2018
日本では、クラカトアウミウシ Hypselodoris krakatoa とされていましたが、
八丈島で採集された子が新種とされました
違いは大まかには色味です、本種は淡い色合いです
Hypselodoris confetti Gosliner & Johnson, 2018
Hypselodoris kanga とされている事が多かったですが、生息域の違いなどから別種として分けられました
本種は線が入りません
Hypselodoris katherinae Gosliner & Johnson, 2018
インドネシアでよく見る未記載種でしたが、キャサンリンさんの名前がつきました
Hypselodoris decorata (Risbec, 1928)
新種ではなくセンテンイロと同種とされて、無くなっていた学名が復活しました
センテンイロとの違いは触覚の輪の数・・・・本種は3本入ります
Hypselodoris iba Gosliner & Johnson, 2018
ゾウゲイロウミウシとされている事が多いですが別種として分けられました
iba はタガログ語で異なるという意味で、日本風に言えばゾウゲイロモドキということになります
Hypselodoris lacuna Gosliner & Johnson, 2018
lacuna は体に穴が空いている用に見える様から命名されました
これもインドネシアなどで比較的よく見られます
Hypselodoris paradisa Gosliner & Johnson, 2018
触覚の輪の数は3本だけど、背中に赤いV字模様が入ることから別種とされました
トランバンで見るセンテンイロはこのタイプが多いです
Hypselodoris perii Gosliner & Johnson, 2018
数年前に大瀬崎で一度だけ出た超レアウミウシ
フィリピン、インドネシアでも出るようで名前が付きました
Hypselodoris roo Gosliner & Johnson, 2018
日本だとホシゾラウミウシ、海外だとカンガに間違われることが多いウミウシですが二次鰓に黄色い模様が入ることで見分けることが出来ます
roo はディズニーのカンガルーのキャラクターの名前みたいです。母がkanga 子がroo
Hypselodoris rositoi Gosliner & Johnson, 2018
バラのような色とこの種をはじめてイラストで紹介した伊藤熊太郎さんへの献名でrositoiとなったようです
Hypselodoris variobranchia Gosliner & Johnson, 2018
カグヤヒメウミウシに学名が付きました
二次鰓の色は紫でもオレンジでも同種ということです
Hypselodoris violacea Gosliner & Johnson, 2018
一方で、触覚が紫の子は別種として登録されました
Hypselodoris skyleri Gosliner & Johnson, 2018
学名の由来は「背中の白点は、晴れた夜の星空のよう」
と書かれています、ホシゾラウミウシって言いたくなる学名です
他にもいくつか学名が付きましたが、インド洋(アフリカ東海岸)のウミウシなので紹介は省きます
世界のウミウシでアオウミウシ属を見る
参考論文:Epstein, H. E.; Hallas, J. M.; Johnson, R. F.; Lopez, A.; Gosliner, T. M. (2018). Reading between the lines: revealing cryptic species diversity and colour patterns in Hypselodoris nudibranchs (Mollusca: Heterobranchia: Chromodorididae). Zoological Journal of the Linnean Society. 2018, XX, 1–74. With 40 figures., available online at https://doi.org/10.1093/zoolinnean/zly048