チョウチョウミドリガイの仲間たちがとても細かく分かれました

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チョウチョウミドリガイ属は Phanerophthalmus というなんと読んでいいのやらわからない属ですが、調べるとPhanero = 見える phthalmus = 眼 という意味の言葉の組み合わせ。ウミウシにはあまり見えませんがウミウシの仲間になります

Phanerophthalmus luteus (Quoy & Gaimard, 1833)

チョウチョウミドリガイ

日本の図鑑ではPhanerophthalmus smaragdinus と紹介されていますが、この学名は無効となりPhanerophthalmus luteus とされました。

なんとなく緑色であること、顔に赤い色が透けていることなどが特徴です

Phanerophthalmus albotriangulatus Austin, Gosliner & Malaquias, 2018

ファネロフタルムス・アルボトリアングラトス 

日本の図鑑では、チョウチョウミドリガイのバリエーションとして、もしくは Phanerophthalmus albocollaris と紹介されていることがありますが Phanerophthalmus albotriangulatus として新規記載されました。日本(琉球)でみられる種は本種であろうと記載されているのでそれに従います。

チョウチョウミドリガイと比べると、色が褐色で頭が白いこと目の周りが色が抜けていることなどで見分けることが出来ます。

ですが本種と非常によく似ていて外見だけで見分けるのが困難な種が複数いるのでちゃんと見分けることが出来るのか難しいです

Phanerophthalmus anettae Austin, Gosliner & Malaquias, 2018

ナスコンチョウチョウミドリガイ

こちらも日本の図鑑では、チョウチョウミドリガイのバリエーションとして載っているか、もしくは Phanerophthalmus albocollaris として載っていますが新規記載されました。

色が特徴的で紫であること、頭が白いことなどで分けることが可能ですが、 今回同時に記載されたPhanerophthalmus purpura も同じように紫で頭も白く論文中にも外部・内部構造で見分けるのは困難であると記載されています。。日本ではどちらも見られる可能性があるので沢山写真が集まると嬉しいです。

Phanerophthalmus perpallidus Risbec, 1928

コクテンチョウチョウミドリガイ

日本の図鑑では Phanerophthalmus cylindricus とされていましたが、 Phanerophthalmus perpallidus とされました。八丈島などでは普通種でよく見られます。

perpallidus は「黒子」という意味。

Phanerophthalmus cylindricus は、フレンチポリネシアなど狭い範囲で見られる種とされました。

Phanerophthalmus lentigines Austin, Gosliner & Malaquias, 2018

ファネロフタルムス・レティンギネス

図鑑では、コクテンチョウチョウミドリガイとして載っていたり、Phanerophthalmus cylindricus だったり Phanerophthalmus sp. として載っていたりしますが新規記載されました。コクテンチョウチョウミドリガイとよく似ていてサイズによっては見分けるのが困難です。

この他にもたくさん

Systematic revision, diversity patterns and trophic ecology of the tropical Indo-West Pacific sea slug genus Phanerophthalmus A. Adams, 1850 (Cephalaspidea, Haminoeidae)
Diversity of Phanerophthalmus sea slugs Invertebrate Systematics

Phanerophthalmus batangas Austin, Gosliner & Malaquias, 2018
Phanerophthalmus boucheti Austin, Gosliner & Malaquias, 2018
Phanerophthalmus cerverai Austin, Gosliner & Malaquias, 2018
Phanerophthalmus paulayi Austin, Gosliner & Malaquias, 2018
Phanerophthalmus rudmani Austin, Gosliner & Malaquias, 2018
Phanerophthalmus tibiricae Austin, Gosliner & Malaquias, 2018

とたくさん新規記載されています。興味がある人はNudibranch & Sea Slug Identificationを見てくださいませ

今回の論文もレプチンさんに頂きました、ありがとうございます!

世界のウミウシで、チョウチョウミドリガイ属を見る

参考論文

  • Austin J., Gosliner T. & Malaquias M.A.E. (2018). Systematic revision, diversity patterns and trophic ecology of the tropical Indo-West Pacific sea slug genus Phanerophthalmus A. Adams, 1850 (Cephalaspidea, Haminoeidae). Invertebrate Systematics. 32(6): 1336-1387., available online at https://doi.org/10.1071/is17086
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