Notodoris属について

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Aegires センヒメウミウシ属は Lovén により 1844年に設立されました。
それからおよそ30年後の1875年、Bergh により Notodoris が設立されました。

更に130年もの歳月が流れ、Fahey & Gosliner (2004) は分子系統解析により NotodorisAegires のシノニムにし、Notodoris を廃止しました。
その後、Moro & Ortea (2015) は、歯舌の形状が異なるとして、再び2者を分ける案を出しました。
2016年現在、世界のウミウシが拠り所にしている WoRMS は後者の意見を支持しています。

 

興味深いのは、過去からウミウシの分類の基本とされてきた形態重視の考え方から 2000年以降、DNAなどの塩基配列を基にした分子系統解析にシフトしたにも関わらず、また過去に戻り、形態による分類の意見を採用しているという事です。
これは、どちらが正しいという訳ではなく、2つ(あるいは複数)の考え方があり、その時々で支持されるものが変わってきているという事です。
なんだか民主主義の政治と似ていますね。
所詮、種の分類は人間の概念でしかないので、こういう論争は今後も永遠に続いていく事になると思います。


世界のウミウシは最新の情報をいち早く反映したいと思っています。
以下のものは Aegires から Notodoris に変更された5種です。
Notodoris citrina Bergh, 1875 レモンウミウシ
Notodoris gardineri Eliot, 1906 ノトドーリス・ガーディナーイ
Notodoris lanzarotensis Moro & Ortea, 2015 ノトドーリス・ランサローテエンシス
Notodoris minor Eliot, 1904 キイロトラフウミウシ
Notodoris serenae  Gosliner & Behrens, 1997 タチアオイウミウシ

このうち、世界のウミウシに登録されている以下の4種を変更させました。

レモンウミウシ

Notodoris citrina Bergh, 1875 レモンウミウシ


ノトドーリス・ガーディナーイ
Notodoris gardineri Eliot, 1906 ノトドーリス・ガーディナーイ


キイロトラフウミウシ
Notodoris minor Eliot, 1904 キイロトラフウミウシ


タチアオイウミウシ
Notodoris serenae  Gosliner & Behrens, 1997 タチアオイウミウシ


Notodoris lanzarotensis Moro & Ortea, 2015 ノトドーリス・ランサローテエンシスは、西太平洋産の種で、まだ投稿がありません。
写真をお持ちの方は是非投稿して下さい。

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