タイのタオ島から2種チドリミドリガイ科のウミウシが記載されました

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Elysia aowthai

ややこしい話なのでスルーしようかと思っていましたがリクエストされたので紹介します

Plakobranchus noctisstellatus sp. nov.

Plakobranchus noctisstellatus

Part of: Mehrotra R, Caballer Gutierrez M, Scott CM, Arnold S, Monchanin C, Chavanich S (2020) On the Plakobranchidae (Gastropoda, Sacoglossa) from soft sediment habitats of Koh Tao, Gulf of Thailand, with descriptions of two new species. ZooKeys 969: 85-121. https://doi.org/10.3897/zookeys.969.52941

  • Plakobranchus sp. 5: Gosliner et al. 2015 (Vanuatu; Bali, Indonesia)
  • Plakobranchus sp. 8: Gosliner et al. 2015 (Papua New Guinea)

種小名の noctisstellatus は、ラテン語のnoctis(夜)とstellatus(星座)から。 チドリミドリガイなどと比べても、側足の内側が蛍光ブルーであること、触角の先と尾の先も同じ色であることから区別するのは容易であろうとされています。

インドネシア・バヌアツ・パプア・ニューギニアからも同種と思われるものが見つかっているので、チドリミドリガイと同じく広く分布しているものと思われます。

とはいえ、世界のウミウシに投稿された写真に該当種はいなかったので数は少ないか、チドリミドリガイとしてスルーされているかどちらかでしょう😅

 

Elysia aowthai sp. nov.

Elysia japonica complex

Illustrations and images of specimens belong to the Elysia japonica complex A–E illustrations taken from the original descriptions of species belonging to the Elysia japonica complex A, D Elysia abei Baba, 1955 B Elysia amakusana Baba, 1955 C Elysia furvacauda Burn, 1958 E illustration of radula of Elysia japonica Eliot, 1913 by Baba (1949) F–J Elysia aowthai sp. nov. showing variation in colouration, 12 mm (F), 9 mm (G), 11 mm (H, I), 8 mm (J). Part of: Mehrotra R, Caballer Gutierrez M, Scott CM, Arnold S, Monchanin C, Chavanich S (2020) On the Plakobranchidae (Gastropoda, Sacoglossa) from soft sediment habitats of Koh Tao, Gulf of Thailand, with descriptions of two new species. ZooKeys 969: 85-121. https://doi.org/10.3897/zookeys.969.52941

ゴクラクミドリガイの隠蔽種が1種新規記載されました。
上の写真を見ての通り(F-J)色は当てにならず、青い斑点も当てにしていいのか不明です。。
大きな特徴としては触角が長く尖っていることぐらいでしょうか…(単体でIを見せられたらアズキウミウシかな??と答えると思います。)

この論文で大事なのは、Remarks と Discussion だと思うので読んでもらえればと思いますが抜粋すると

Elysia aowthai  は E. japonica species complex に含まれる。

E. japonica(ゴクラクミドリガイ)は Eliot (1913)の記載が曖昧でその種そのものを特定するのが困難。

馬場は、E. amakusana(アズキウミウシ)、E. abei (アベミドリガイ)、E. japonica(ゴクラクミドリガイ)の3種を有効とした (Baba 1957)

オーストラリアから Elysia furvacauda Burn, 1958 が報告された (Burn 1958)。

E. abeiE. amakusanaE. japonicaの一部またはすべてが同義語である可能性が高いという見解が一般的に支持された。(Rudman 2001)

Burn (2006)は、E. furvacaudaはE. japonicaとは別種であるとしているが、根拠が薄い。

Takano et al. (2013)は、現在議論されている種に関するより詳細な分子的評価を行い、彼らが代表的な標本と考えている E. abei, E. amakusana, E. cf. japonica の比較を行った。これらの著者は日本産のE. abeiとE. amakusanaのカラー写真を提供している(Takano et al. Takano et al. (2013: fig. 3C)はまた、日本産のE. cf. japonicaと断定された標本の図版を提供しているが、これはE. japonicaの複合体に含まれる種の一般的な外観と一致し、標本の保存状態から本種の説明では気付かれなかったであろう、オレンジ色の色素の大きな丸い斑点(E. abeiのオレンジ色の点とは異なる)を示している。本種は形態学的には多様性があるにもかかわらず,E. abeiとE. amakusanaは同義語である可能性が高いが,E. cf. japonicaは別種であると結論づけた。

その他色々ありますが、本複合体の中には,外部解剖学的にいくつかのグループが存在している可能性があることが明らかになった。しかし,このグループでは,単独で使用した場合の外色による種の区別の信頼性には疑問がある。

一方、本研究では、この複合体内の多数の種・標本のCOIを統合的に解析した結果、明らかな地理的構造が明らかになった。日本には少なくとも2つの系統が存在する(図2、クラッドD)。これは真のE. abei/E. amakusanaグループと(潜在的に)真のE. japonica sensu stricto(その型は失われているようだ:Trowbridge et al. この複合体に含まれる残りのグループ(図2、A-C群)には、オーストラリア産のE. furvacaudaと、インド-西太平洋(I-WP)に散在するE. abei/E. amakusanaの形態学的変動の範囲内で、少なくとも2種の未記載種が含まれている。

このうちの1種を Elysia aowthai として記載した。という内容です。長い!

世界のウミウシでは、 エリシア・アオタイ Elysia aowthai として沖縄の砂地でよく見られる子を登録しましたが、このあたり採集など全くされていないと思うので今後の課題になるかと思います。また、 ゴクラクミドリガイ属の一種 27 Elysia sp.27  もおそらくここに含まれると思うので要検討です。

参考文献

Mehrotra R., Caballer Gutiérrez M., Scott C.M., Arnold S., Monchanin C. & Chavanich S. (2020). On the Plakobranchidae (Gastropoda, Sacoglossa) from soft sediment habitats of Koh Tao, Gulf of Thailand, with descriptions of two new species. ZooKeys. 969: 85-121.available online at https://doi.org/10.3897/zookeys.969.52941

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